信越ポリマーグループは、脱炭素社会への移行に向け、事業活動の根幹にサステナビリティ活動を据え、環境負荷の抑制と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しており、「2050年カーボンニュートラル」を念頭に、グループ全体の事業活動の中でCO₂排出量削減に取り組んでいます。

TCFD提言に基づく情報開示

当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同しており、4つの開示推奨項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に対応するとともに、情報開示を積極的に行います。

ガバナンス

当社グループは、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設置し、CO₂排出量削減目標等、気候変動対応に関する審議や、業務執行部門で行われる各年度の活動報告等を定期的に受けるなど、サステナビリティ経営のさらなる強化のために必要な議論を行っています。当委員会で議論された重要な事案に関しては、執行役員会、取締役会に報告しています。取締役会はこれらの報告をもとに対応状況を監視・監督しています。また、継続的に取り組んでいる省エネ活動としてのグリーン運動では、国内外の生産事業所で掲げている目標の進捗報告を定期的に行っています。2023年度に策定したロードマップに従い、2024年度は国内5工場で10%の再エネ電力に切り替えました。11月に委員会にて6カ月間のモニタリング結果を共有し、ロードマップの見直しを審議しました。その結果、2025年度に向け国内5工場で20%の再エネ電力の導入を決定しました。海外生産事業所においては、2025年度以降に再エネ電力の導入を予定しています。

戦略(シナリオ分析)

当社グループでは、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動政府間パネル)等が発行する報告書における複数のシ
ナリオを参照した2つのシナリオに基づき、気候変動がより顕在化した未来において当社の主要事業で発生が見込まれる
気候関連リスクおよび機会を特定し、それらの財務上の影響を定性的に評価しました。
シナリオ分析の結果、GHG排出規制の強化や炭素税の導入など法規制の変更に伴う移行リスクと風水害の発生など異
常気象による物理リスクを想定しました。移行リスクに対しては太陽光発電設備導入、再生可能エネルギーの購入などに
より対処します。物理リスクに対してはリスクアセスメント実施や、持続可能な調達に向けたサプライチェーンの管理に
より対処します。また、製品とサービスにおける機会としてはガソリン車等からEVへの転換やデジタルネットワーク社
会の拡大を想定しました。これらに対しEV向け新製品の開発および市場投入、半導体関連容器の販売拡大、電子部品向
け素材製品の開発および市場投入などにて機会の獲得に努めます。

 

 

 

 

 

 

 

リスク管理

当社グループでは、サステナビリティ委員会が主体となり、気候変動リスク・機会の特定・評価を行っています。事業に与える影響度が高いと評価されたリスクは、取締役会および監査役会へ報告します。また、特定されたリスク・機会については、リスクの最小化、および、機会の最大化に向けた戦略の策定や目標の設定を行い、それらの取り組み状況を定期的に取締役会および監査役会へ報告しています。

指標と目標

当社グループでは、スコープ1,2について2050年までのグループ全体のCO₂削減目標を設定しました。今後は省エネ設備の導入や再生可能エネルギーへの転換など積極的に推進します。スコープ3は排出量の多いカテゴリに対し優先的に削減目標の設定を検討しています。また、2030年の再エネ電力導入比率の目標値を設定しました。