業務用塩ビラップ『ポリマラップRV』

- Polyma-Wrap RV -

 

地球にやさしく、人にやさしく

 

 

塩ビラッピングフィルム『ポリマラップ』は、1972年から50年以上にわたり、さまざまなラインアップを開発してきました。今回はその中から、時代のニーズに応えた環境配慮型製品として新たに上市した『ポリマラップRV』をご紹介。植物由来のバイオマス原材料を配合し、一般社団法人日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク10」を取得した製品の開発秘話をお届けします。

 

 

50年以上の歴史誇る 塩ビラップ『ポリマラップ』

『ポリマラップ』はストレッチ性密着性に優れた食品包装用塩ビ樹脂製ラップです。

さまざまな食品を伸びよくピタッと包み込むことができ、適度な通気性と防曇性でその鮮度を保ちます。製品は小巻ラップとストレッチフィルムに大別され、前者はレストランやホテル、居酒屋などの外食産業の厨房で、後者は主に食品やトレイの包装用としてスーパーマーケットや生鮮小売店でご愛用いただいており、食品包装機の使用を前提とした仕様となっています。

 

『ポリマラップ』は営業が現場の声をすくい上げ、そこで生まれたアイデアを開発・生産がカタチにしながら育ててきた製品です。例えば昨今では、人手不足に伴い、スーパーマーケットなどでは包装や加工を専門施設でまとめて行う“センター化”が進んでいます。当社は大量生産に適した効率的な包装を可能にするピロー包装機に対応するストレッチフィルムを開発するなど、50年以上にわたる歴史の中ではさまざまなラインアップを開発してきました。

 

スピード感をもって挑んだバイオマス原料配合ラップの開発

 

『ポリマラップ』の新シリーズである『ポリマラップRV』は、塩ビ素材のストレッチフィルムに植物由来のバイオマス原材料配合した環境配慮型の製品で、一般社団法人日本有機資源協会が認定するバイオマスマーク10(製品のバイオマス原料含有率10%を示す)を取得しています。

塩ビ樹脂はもとより他の汎用樹脂に比べてサプライチェーン排出量が少ない素材ですが、バイオマス原材料の配合により、温室効果ガス排出量の削減や石油資源の節約など、さらなる環境負荷の低減に貢献します。

 

『ポリマラップRV』の製品化に向けては、従来製品の特長であるストレッチ性や密着性、高い透明度はそのままに、植物由来の原材料を処方しても変わらぬクオリティを保つ必要がありました。特にフィルムの透明度は商品の見栄えや食品の新鮮さを演出するのに大きく影響することから、これを絶対条件に開発を進めました。

本来であれば原材料の配合処方も一から再構築する必要がありましたが、日本で初めて塩ビ小巻ラップとしてバイオマス原材料を10%配合した姉妹ブランド『キッチニスタラップ 抗菌ブルー』の技術を転用できたことで、スピード感をもって開発ができました。最終的には開発・生産の協働により最適条件を見つけ出し、長年の配合や成形ノウハウによって課題を解決し、品質維持を実現できたものと考えています。

姉妹ブランドである小巻ラップ『キッチニスタラップ抗菌ブルー』

持続可能な社会を目指した 環境やさしい製品

 

本製品はサステナビリティ推進に向けた社会全体の声に応える製品であり、営業としてはその価値をアピールしていく必要があると思っています。お客様からは現行製品と比べても、野菜や魚など凹凸がある食品を包むときに破れにくくしなやかであるとの評価も受けました。

開発部門には、ラップの透明度に関してなど、かなり厳しい要求をしてきましたが、期待に応えてくれて非常に感謝しています。また『ポリマラップ』シリーズとしては、従前の取り組みとして、長尺化により交換頻度を減らすことで、お客様の負荷軽減を図っています。梱包材も含めた軽量化も実現し、資材廃棄量削減にも貢献しています。

『ポリマラップ』は、時代のニーズを取り込みながら進化を重ねてきた製品です。ラップは一度使ったら廃棄するものであることは変わりませんが、50 年前と比べれば軽量化は格段に進んでおり、お客様にとっては扱いやすくなると同時に環境負荷の低減にもつながっています。少しでも環境によいものを、というのは近年の当社の製品開発における重要なテーマであると考えています。

~  営業 × 開発  

高まる環境意識に応える製品を これからも

 

人が食べることをやめない限り、ラップという製品がなくなることはないでしょう。とはいえ『ポリマラップ』が市場にマッチしたラインアップであり続けるためには、営業と開発が意見を出し合える環境にあることが今後も大切になると感じます。常に現場に足を運んでお客様視点で物ごとを考え、小さなことでも開発部門にフィードバックし続けることで、よりよい製品づくりに貢献していきたいです。『ポリマラップRV』はまだ発売して間もないですが、今後はバイオマス原材料を配合したラップが当たり前になっていく可能性もありますし、その流れができるとすれば、当社がリードしていく立場にありたいですね。

 

 

 

海外では欧州を中心にサステナビリティに関する製品規制等が非常に厳しいことが知られていますが、日本にもその流れがやってくる可能性は決して低くありません。ラップだけの話に留まらず、やはり信越ポリマーという会社としての持続可能性を高めていくためには、こうした意識をしっかり持つことが重要だと製品開発の場を通じて強く感じるようになりました。今、環境保全に向けた意識がこれまでにないほど高まっている中で、『ポリマラップRV』のような環境配慮型製品を世に送り出し続けてまいります。